地頭力を鍛える

仕事のアウトプットの質は生来の地頭に大きく影響を受けると感じる。経験や環境が人を育てるという一方で、各個人の持つ頭の良さが成長の速度に多分に差を生むからだ。

他人の指示を正しく理解し、求められるアウトプットを時間内に出していく。あるいは自分で仕事を作っていく。情報を集める事がスマホ・PCの活用で容易にできる現代だからこそ、情報収集作業の価値は薄れるが、自分で考えて物事を組み立てていく力が必要である。

著者は考える力(地頭)は問題解決トレーニング(フェルミ推定含む)で鍛えられると述べている。上述の定義が曖昧なのであれだが、騙されたとの思いで伸ばせる部分は自身で吸収したく本書を手に取った次第である。以下はポイント。

  1. 結論から考える :仮設思考力
  2. 全体から考える :フレームワーク
  3. 単純に考える  :抽象化
  • 仮設構築力

最終目的地から考える癖をつけること。情報が集まるのを待つのではなく、最終目的地(相手が期待するアウトプット)を明確にした上で、大胆に仮説を構築する。

情報をやみくもに収集するのではなく、仮説に基づいて必要な内容にフォーカスし、どんどん前に向かって検証していく。間違えていればフレキシブルに仮説を変更して進める。

大きく全体俯瞰力と分解力に分けられる。

全体俯瞰力が必要な理由は、人には思考の癖が染みついているので、否が応でも思い込みの影響を受けてしまうため。思い込みや思考の癖を解消するためには、まず全体を高所からビックピクチャーで眺める事が極めて重要である。

また分解力は足し算と因数分解に大別される。

足し算は漏れなくダブりがない=MECEに考える事を指す。漏れやダブりが散見される場合、その都度前の箇所に立ち返らねばならないため、非常に効率が悪いのである。  因数分解とは、売上やROE等の構成要素はそれぞれ各要素ごとに掛け合わせる事を意味し、優先的に手を打つべき問題箇所の特定を助ける。

  • 抽象化

抽象化の基本は共通事項を探すこと。共通事項を複数発見した上で、さらに上位の概念であるグルーピングを行い、物事の本質を掴む事が次の目的である。

本質はシンプル=抽象化できていれば、エレベータースピーチのような30秒間で的を絞った説明が可能となる。抽象化によって本質を掴み、課題に対する本質的な解決策を見出し具体化していく事が正しい問題解決アプローチである。